親から20年前に借地権を相続しましが、地主から更新料の請求がありません。

私は親の借地権付建物を20年前に相続しました。 更新が昭和55年になっており、32年経った今でも地主さんから何も言ってきません。地代は毎月きちんと払っています。 このまま地主が何か言ってくるまで黙っていて良いのでしょうか?

心配されております更新手続きがされていない借地権について、回答いたします。
まず、更新とありますので、原契約に於いて契約期間が定められていて、その期間満了が1980年に到来したものと思慮いたします。この契約の更新にあたっては、地主から遅滞なく正当事由をもって更新拒絶の意が示されない限り、その更新を妨げることは出来ないとされています。

一般的には、更新期限の半年程前に地主から更新にあたっての諸条件(更新料等)を通知される事が多いのですが、貴方の契約に関しましては、それが何もなされない状態となっています。前記のように地主から通知があり、協議の上、双方が承諾したものを”合意更新”と云います。
また、逆に地主に期限の到来が認知されていない場合及び地主と協議が整わず期間が満了した契約を”法定更新”と云います。貴方の場合はこの法定更新の状態ですから、法律上は特に問題ないと云えます。
(地代も滞りなく支払い続けて地主もそれを受け取っていると云う事ですから、この点でも特に問題はないと思われます。)

なお、法定更新と合意更新の場合で大きく異なるのは、建物が古くなって”朽廃”した場合に地主から明け渡し請求を受ける可能性があることでしょうか!
これも現在使用収益をされているとの事ですから、現状では特に問題とならないでしょう。
このような状態にありますので、借地権者側から申し出る必要もないと思います。

但し、近い将来、建物を増改築する計画があるとか、借地権を売却する可能性があるとか、と云うことであれば、契約書を作成して地主との関係を良好にしておくのも一つの方策です。

<注>原契約とは土地の賃貸借契約を締結するに至った元の契約書を云います。
<注>朽廃とは、自然の推移により建物としての社会経済的効用を失う程度に腐食して損壊している状態を云います。

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