私道に面した土地は、私道の所有者に要注意
知り合いの建築士から土地(所有権)の売却の相談を受けました。その土地は東側で幅員約3.8mの私道に面しています。車は普通に通行できますし、一見すると公道とも思えるほどの環境で、建築基準法上の42条2項道路に該当しています。したがって、当該土地上には建築基準法を満たす建物を自由に建築することができます。
しかし、事はそう単純ではありません。当該地に建築をするに際してはガス埋設管や上水道管の引き込み工事を行う必要があり、それには私道の所有者から掘削の承諾書を得る必要があります。また道路を通行するためには、同じく私道の所有者から通行承諾書を得る必要があります。この私道の所有者は、前記の承諾書を提出するに際して、上水道の引き込みは1軒分のみ、通行承諾をするに際して、通行承諾料を毎月支払うこと(車はトラックは不可で、自家用車のみOKで、車を使用する場合は通行料は倍額)という条件を提示しています。さらに、土地の利用にも制限を加え、共同住宅不可、外国籍の方の使用不可と主張しています。借地の場合の利用制限はよく聞きますが、所有権の土地で、しかも土地所有者ではなく私道の所有者からこれだけの制限を受ける例は皆無です。
この種の私道に面した土地や借地権を取得することは、できれば避けた方が賢明と思われます。取得した後に将来において譲渡する際に、新たな買い手を探すことが難しくなる可能性が大だからです。借地であれ所有権の土地であれ、接道している道路が私道の場合には、所有者がどういう人でどういう考え方を持っているのかを知ることはとても重要な事項です。
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